糖尿病性腎症は三大合併症
糖尿病性腎症は細小血管症の合併症で、糖尿病の三大合併症と呼ば
れる内のひとつです。
腎臓は、糸球体(しきゅうたい)という細小血管の塊の集合組織で
、左右の腎臓それぞれに100万個もあり、血液中の老廃物をろ過
する働きをしています。
ろ過された老廃物や余分な水分は、尿として体外に排泄されます。
腎臓ではそれ以外にも、電解質(ナトリウム・リン他)などのバラ
ンスを調整し、血圧を調整し、ビタミンDを作り、赤血球を作る働
きを助けたりと、生命維持には欠かせない重要な働きを担っている
臓器です。
しかし糖尿病は、その重要な働きを担っている腎臓を、場合によっ
ては深く傷つけることがあります。
糖尿病性腎症は、糖尿病による高血糖状態が続くことにより、腎臓
内の糸球体を流れる細小血管を傷めることから始まります。
糖尿病の罹患から10年位までの間に、糖尿病性腎症を発症するケ
ースが多いようです。
糖尿病性腎症の経過として、初期の段階ではアルブミン(たんぱく
の一種)が尿から検出されます。
しかし極めて微量であるため、通常の定性検査では分らないことも
ありますが、この段階で適切な治療を施せば、糖尿病性腎症に至る
ことはありません。
次の段階では数年の内に、たんぱくの量が不規則ではありますが次
第に増えて行き、やがて常に出る様になると共に腎機能も著しく低
下します。
この状態を放置しますと、尿たんぱくの量は更に増え、高血圧、む
くみ、高コレステロール血症など、ネフローゼ症候群の諸症状が現
れます。
そして更に病状が進行し、腎臓機能が通常の10~15%以下まで
低下して末期腎不全に至りますと「透析療法」の対象となります。
透析療法は、腎臓の機能を代行する治療ですので「腎代替療法」と
称しますが、【腎臓移植】も腎代替療法に含まれます。
透析療法の開始時期は、末期腎不全の状態で、ご自身では生命維持
が困難となりつつある時期に、患者の日常生活面など様々な情報を
基に医師が判断します。
既に、尿毒症の諸症状が顕著に出始めている場合などには、早期の
透析療法開始が望ましいとされています。
糖尿病性腎症の患者は、他の腎臓病患者よりも透析療法の導入時期
が早い傾向にあります。
それは糖尿病の合併症により、様々な臓器や部位が悪影響を受ける
ことで、身体全体の機能低下をきたしているからに他なりません。
透析療法の役割は、腎臓の機能不全による老廃物の排泄と、尿が出
ないことで体内にたまる余分な水分と塩分の除去、そして電解質や
血液のペーハーの異常を是正することです。
透析療法は腎臓に対する治療効果はなく、低下した腎臓機能の補助
が目的です。
また、腎臓の働きを完全には代行できないため、注射や薬の服用な
どにより、透析療法で代行できない機能を補います。
透析療法には、「血液透析」と「腹膜透析」の2種類が有ります。
血液透析の概要は、血液を体外に出して透析器という装置に取り入
れ、老廃物、余分な塩分、余分な水分を除去した血液を、また体内
へと戻します。
血液透析を行うには、高速で血液を体外へ取り出す必要があるため
、手首の血管を手術し、専用の血液の通り道を作ります。
血液透析のための通院は週2~3回程度、1回の治療時間は4~5
時間が目安です。
血液透析のみの治療費は、週に3回の血液透析を一ヶ月間行います
と約50万円程かかります。
その内の自己負担分は、国民健康保険、社会保険(本人・ご家族)
とも3割(約15万円)となります。
ですが、同一の月内に【特定疾病療養受領】の手続きを行いますと
、約15万円の自己負担額が1万円に大幅軽減されますので、万一
の際には必ず手続されますようお勧めします。
腹膜透析の概要は、文字通り腹膜を使って血液の浄化を行います。
腹膜は、胃、腸、肝臓などの表面と腹壁の内側を覆っているひと続
きの膜ですが、この腹膜を利用して血液の浄化を行います。
まず腹腔に埋め込んだカテーテルを通して透析液を腹腔内に入れ、
数時間後、老廃物などが溜まった透析液を体外に排泄します。
ご自身で、この作業を1日に3~5回ほど繰り返します。
腹膜透析は、自宅、勤務先、学校などでも行えますし、病院のベッ
ドで長時間過ごす必要もありませんので、その点は有利です。
但し、透析液の交換には30分程度を要しますし、その作業を1日
3~5回繰り返すのは、けっこう面倒かもしれません。
また、透析液の交換時の際の感染による腹膜炎や、長期化の影響で
腹膜が硬化する点などにも注意が必要です。
更には、腹膜透析を続けることで、腹膜の機能はしだいに低下する
ため、5年から10年で血液透析への切り替えが必要となります。
血液透析と腹膜透析には、それぞれにメリットとデメリットがあり
ますが、最終的には血液透析を続けて行くことになるわけです。
糖尿病は、実に厄介な合併症を併発する元凶と言うべき病気です。
しかし、糖尿病が生活習慣病である以上、その生活の改善を実践す
ることは極めて重要です。
それも、重篤な合併症を発症する前に行うことこそが肝腎です。
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